如月三日。節分です。おはようございます。
先日『おにたのぼうし』(あまんきみこ)を紹介しました。深い味わいのある素敵な絵本です。
幼児のころは桃太郎のお話がわかりやすく、たいへんおもしろかったと思います。
たしかに「桃太郎=善、鬼ヶ島の鬼=悪」の構図は明解で幼児にもすんなりと頭に入ってきます。ところが、もう少し心身が成長してくると「視角の転換」によるおもしろさを理解できるようになってきます。例えば『早く寝ないと桃太郎が来る!』など桃太郎の鬼退治後に島に伝わる子守唄や言い伝えなど。鬼から見た桃太郎の昔話は悪夢でしかないと理解できるようになります。
あまんきみこの人間観・世界観は現代の私たちのそれらをも照らし出します。その偏りや歪みにハッとさせられるのが、おにたの最後のことばと彼が自分の帽子の中に残していったものです。
先日のラジオ放送によると、
『福は内。福は内。』しか言わない節分をする地域があるそうです。昔の人たちのよりよく生きる智慧に脱帽です。